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キスは慰謝料請求の対象となるのか?肉体関係がない場合の慰謝料

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配偶者が浮気?キスだけで慰謝料を請求できるのか

一般的には、慰謝料を請求できる不貞行為とは、性交を指します。 キスだけでは証拠としては弱く、慰謝料を請求するのは困難です。 しかし、一度のキスだけではなくその他にも夫婦関係を壊すような交際をしている事実があれば慰謝料を請求することができます。 肉体関係がないからといって浮気をしてもいいわけではありません。

慰謝料を請求できる条件とは

慰謝料を請求するためには、二つの条件があります。

1 相手に故意または過失があったこと
2 それにより権利の侵害を受けたこと

不倫の場合の「故意または過失」とは、故意=既婚者だと知っていたかどうか、過失=相手が既婚者だと推測できる状況で注意を怠ったかどうかです。 既婚者だと知らなかった場合、交際相手から独身だと嘘をつかれていた場合、出会い系サイトなどで知り合った一度限りの遊びの場合は、いずれも故意がなかったとみなされます。
相手が既婚者だと推測できる状況とは、具体的には次のような場合です。

・交際相手が結婚指輪をしていた
・交際相手の住所を知らされておらず、家に行ったこともなかった
・会うのは平日の夜だけ。土日にデートをしたことが一度もない
・友人、家族に会うことを頑なに拒否されていた
・同じ職場に勤めており、周囲は皆が交際相手が既婚者だと知っていた

常識的に考えると、普通の交際ではないですよね。とても怪しいです。
それなのに、都合のよい相手の言葉を信じて疑うことを怠ったり目をつぶっていたなら、注意しなかった方も悪かったことになります。

2の権利の侵害は、不貞行為そのものが権利の侵害にあたります。民法上では、事実上夫婦には貞操義務があるとされています。夫婦が納得の上で婚外性交渉を行うことまでは咎められませんが、合意がなく不倫を行ったのであれば、それは不法行為です。

慰謝料を請求するには、このどちら一つではなく両方の条件が揃っていなければなりません。

不貞行為の定義は性交のみ?最近は判例に変化

不貞行為という言葉は、民法第770条にある以下の条文にあります。

夫婦の一方は、以下の場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

配偶者に不貞な行為があったとき。
配偶者から悪意で遺棄されたとき。
配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

民法第770条は離婚の訴えについてのもので、不倫についてのものではありませんが、これが配偶者の貞操義務の根拠とされています。
それでは不貞な行為とは何かですが、これは法律の条文の中には明確な定義はありません。
過去の判例からすると、不貞行為は男女間の性交であると解釈されています(法律には往々にしてこういう部分が多いです)。

それでは性交とは何かですが、これは強姦罪についての条文の中にある「男性器の女性器に対する一部挿入」がそれにあたると解釈されていました。

つまり、不貞行為は「男性が女性に性器を挿入することで成立する」となりますが、明らかに穴だらけの解釈ですよね。
強姦罪の場合、「男性から女性」、「性器の挿入」と限定してしまうと、同性によるレイプ、器具を使ったレイプ、男性へのレイプ、肛門性交、口腔性交、すべて強姦罪が適用されません。準強姦罪になり、罪が軽くなってしまうのです。
受ける肉体的、精神的ダメージが同じなのに、おかしな話です。
そこで2017年に刑法が改正され、強姦罪は強制性交罪になり、性別や性器同士という縛りはなくなりました。

不貞行為の解釈も、広がりつつあります。配偶者の裏切りにあった側は、性器が挿入されていてもいなくても大きなダメージを受けます。そこで、最近では性交のみに限定せずに、ケースバイケースで不貞行為と認める判例が出てきています。

キスは肉体関係の証拠にはなるかならないか

原則的には、「街で夫と知らない女がキスしているところを偶然見た!」というだけで不貞行為とはみなされません。

不貞行為の解釈が広がっていると書きましたが、それでも一度のキスは認められにくいでしょう。
それが夫婦関係を破壊したり、配偶者の権利を侵害したというところまでいかないためです。

とはいえ、キスだけでは絶対に不貞行為にならないかというと、そうではありません。

ホテルに泊まってシャワーを浴びて、裸でベッドに入って愛してるよと囁きながらするキス。
居酒屋で会社の同期と酔っ払って、同僚の女性に抱きついてみんなの前でチュッとやってしまったキス。
全然意味が違いますよね。
性器の挿入がないから、キスだけだからというのは、実務的にはほとんど意味のないことです。
「キスは法律的には浮気にならないんだ!」と開き直って配偶者が愛人を家に連れ込んで、堂々とリビングでキスなんかされたら、夫婦関係は破綻しますし、配偶者も愛人にも明らかな悪意があると言えます。

実際の裁判では、キスしたかどうかという個別の行為だけではなく、その人の様々な状況や行為を総合的に判断します。
キスだけでは証拠にならないと諦めずに、それによって精神的にダメージを受けた、夫婦関係が損なわれたという場合には慰謝料を請求することを考えてみましょう。

証拠はキスしかないが浮気は確定。どうしたらよいか

夫の行動が怪しいので夫が入浴中に携帯をチェックしたとしましょう。
出ました、女性とツーショットの自撮り写真!
この写真を保存し、メールを漁ってすべて転送します。
「早く会いたい」「もっとキスしたい」のメッセージがたくさん。
この女の名前はどうやら◯◯、会社の同僚、何度か仕事の後にデートをしている。関係が始まったのは三週間前。ああ、あの時の残業は嘘だったのね、来週は女の誕生日で会う約束…と色々わかったとします。

一般的に考えれば、これは完全に浮気ですよね。
今はまだ肉体関係がなくても、早晩そうなることは自明ですし、少なくとも交際していること、キスしたことは間違いありません。
この場合、慰謝料を請求できるかというと、実は答えはグレー。

肉体関係がない交際でも慰謝料請求が認められた事例はありますが、キスやデートだけでは認められなかった事例も多いのです。
浮気相手をこれ以上つけあがらせないために、お灸を据えてやりたい場合、どうすればいいのでしょう。

こういう場合は、できる限り証拠を集めることです。
小さな証拠でも、たくさん集まれば有効に働くことがあります。
この夫のようにうかつなタイプなら、泳がせておけば証拠収集は簡単そうです。

しかし、傍観しているうちに関係が深まってしまうかもしれませんし、今はない肉体関係を持ってしまうかもしれません。
ウキウキツヤツヤしている夫を毎日見ているのも腹立たしいですね。
いったいどこまで証拠を集めれば安心なのかは、自分では判断つきにくいので、専門家のアドバイスを受けましょう。

慰謝料請求しても認められない例

ラブホテルから出てきて別れ際には車中で濃厚なキス。
そんな配偶者の浮気現場を写真に撮って、証拠はバッチリ!慰謝料をがっぽりとってやろうと思っても、慰謝料請求が認められない場合もあるので注意が必要です。

それは、不貞行為がある前から、すでに夫婦関係が破綻していたとみなされる場合です。
不貞行為と夫婦関係の破綻に因果関係がないので、慰謝料を請求できません。
これは、慰謝料請求の条件のうち、

1 相手に故意または過失があったこと
2 それにより権利の侵害を受けたこと

2にあてはまらないからです。最初から配偶者への愛情が喪失しているのなら、権利の侵害を受けたものなどいないとされます。
夫婦関係の破綻とは、別居している、相互扶助が行われていない、長期間のセックスレスなど。
同居していても、生活も財布も別で口も聞かないなど実態が仮面夫婦の場合は破綻とみなされます。
夫婦には同居の義務、相互扶助の義務があるので、これを怠っているのであれば浮気をした配偶者も自分も、二人とも有責配偶者になってしまいます。

離婚を前提に別居していて、調停中に配偶者の浮気がわかったからと言って、これ幸いとばかりに慰謝料をふっかけても意味がないかもしれません。
それでは別居さえしていればお互いに浮気をしても良いのかというと、そうではない判例もあります。
喧嘩をして頭を冷やすために距離を置いたりすることはあるでしょう。
DVを受けて一時的に家を出る場合もあります。
そんな時にした不貞行為はやはり慰謝料を請求できます。

離婚する気なら、別居もあり

慰謝料を請求したいが手詰まりになってしまった場合は、別居してみるのもいいかもしれません。

配偶者が浮気相手とキスをしていたのを見た、しかしその他の証拠はほとんどない。
配偶者を責めると「ふさけただけ、勘違いだ」と言われてしまった。
警戒しているのか、浮気相手とは距離を置いている様子。
配偶者も浮気相手も、何食わぬ顔で過ごしていてなかったことにしようとしている。
しかし、浮気されていた事実が辛く、このままでは気持ちが救われない。

こんな場合です。証拠を揃える前に責めてしまうと過去の証拠は隠されてしまいますし、新しい証拠も出てきづらくなります。
証拠もなく浮気自体を否定されてしまえば、打つ手がなくなります。

その場合は、別居をしてそれを損害の事実として訴えることはできます。
配偶者と浮気相手の交際が夫婦関係を壊したのが事実なら、それを客観的に見える形にしてしまうのです。
ただし、ただ勝手に出て行ったのでは、あなたがわがままで同居義務違反をしていると言われかねませんので、理由をはっきりと告げて出て行きましょう。
口頭ではなく、メールなど残る形のものにします。
何の証拠もなく相変わらず配偶者と仲良く同居したままよりは、慰謝料を獲得できる可能性があるでしょう。

キスだけでは損害を訴えにくい。できる限り証拠を揃えましょう

キスと一言で言っても、どんなキスなのか?頻度は?どんな意味でされたものか?はケースバイケースです。
裁判になった場合は、キスだけではなく、浮気相手から嫌がらせを受けた、配偶者が帰宅しないなど、様々な状況が総合的に判断されます。
証拠がキスしかなくても、細かい証拠を集めて、被害を明らかにして慰謝料を請求しましょう。
証拠として十分かどうかは、専門家のアドバイスを受けるとより安心です。

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